鎌原浮立

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鎌原浮立

■所在地佐賀市富士町鎌原
■登録ID2818

 伝承の経緯など明らかでないが、昭和22、3年ころ、浮立をやめたところ、24年の水害で神社が流れ大きな被害がでたということですぐに再開された。
 「市川の朝浮立に鎌原の夕浮立」「鎌原の三本鉾に市川の六本鉾」などの言い伝えがあった。
 現在は10月第1土曜日に行われる。もとは10月15日であった。
(1) 組 織
 つづら谷、上古賀、下古賀、村古賀の4つの古賀に分かれており、交代でテースマエをつとめる。
(2) 次 第
 浮立に出演する者は子供まで必ずスブソの家でお神酒をいただく。打ち出しは14時ころ、全員が揃うと、出立ち浮立となり庭笛が吹かれる。
 塩振り-かさぼこ-大太鼓-笛-モリャーシ-ささら-扇子-提灯の順で、道行きの囃子で鎌王神社へ向かう。神水をかけられ、鳥居がかりの囃子で境内にはいり時計方向に3回まわって定位置につく。庭笛(ドッカンカン)となり、神の前、スッカンカン、マクリと奏される。神の前の拝礼は、懐紙を前に置きその上にバチをハの字型に置く。ご幣のヌサをとりちぎるようにして前に投げる。そして深々と三礼をする。神の前の終わりに、太鼓のふちをバチでなでるようにする、太鼓さすりという所作をする。
 スッカンカンでは、テンツキを地面すれすれに振りまわし、回し終わるとバチを地に立て、エーイと掛け声をかける。小謡が始まり謡の繰り返しの所で囃子がはいる。3回繰り返す。鎌王神社での奉納が終われば、彦岳権現への奉納がその場でなされる。
 その後、生産組合長宅で弁財天への奉納がされる。現地まで行くのは遠いので、弁財天が鎮座する山の方に大太鼓を向けて行う。
次に正方寺での奉納、この後、区長、亭主と奉納して終わりとなる。

出典:富士町史下p.590〜p.593