川そうくぐり

川そうくぐり

■所在地佐賀市鍋島町
■登録ID2713

 現在の中島荒太郎さん、渡瀬秀来さん宅の間の橋あたりを川原口という。
 いまから4、50年前までここで「川そうくぐり」という行事があっていた。
 長さ5mぐらい、太さは大人の腕ぐらいにしたコモを固めて、川の中にアーチ形に門をつくる。神主さんの祝詞のあと、コモで作った帽子大のものから四っ足を出したようなものが川上から3度流される。行事がすむと橋のそばに並んでいた4、50人の童たちが一斉に川の中に入り、アーチの門を3度くぐる。
 瓶を持ってお宮まで一目散に走って順に並ぶ。盃2、3杯の神酒をもらって引きあげる。
 この川を今、島とり川といっているが、長老の話では四万取り川だということである。四万ということはたくさんを意味する。たくさんの童が洪水や水泳などで溺死した。これは川そうという動物に取られたのであろうということから、川そうくぐり行事がはじまったということである。

出典:鍋島町史p.313