お粥ためし

お粥ためし

■所在地佐賀市鍋島町
■登録ID2639

 お粥試しというのは綾部神社の「旗上げ」と共に佐賀地方農民の注目の年中行事である。毎年1月1日の四方拝の式典に、蛎久天満宮の神前にお供えした白米の一定量を2月11日建国の記念式に、神官によって修祓をなした後に大きな釜に入れて炊き、焚きあげてから鉢に盛り、これを唐ひつに納め奉殿の神側に安置し、3月25日例大祭の早朝再び神官の手に依って参籠所に持ち出し、一般参詣人に公開されるのである。
 そして鉢に盛ったお弼の面にあらわれるカビの色合い、水気の工合等によって其年の米の豊凶を占うものである。特に農家はこれによって、その後の対策を講じる必要があるので、みな真剣である。尚鉢盛の粥には東西南北を更に中間線を画し、中心を佐賀城として放射線的に分画してある。

出典:鍋島町史p.169〜170