副島種臣浸水にも平気

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副島種臣浸水にも平気

■所在地佐賀市西与賀町
■登録ID216

二郎(副島種臣)が今津に来てから幾度か大潮にて本庄江湖の水がふとり、遂に今津の土手をこして副島家に侵入した。
養父吾左エ門は、手桶をもって家の中の水を汲み出しに一生懸命になっていたが、一方二郎はひとつも気にせず2階から、淡々として潮の満ちて来る江湖を眺めて平然たるものであった。
それを対岸の有重の人達は「吾左エ門さんは、あんな馬鹿者を養子してどうするつもりか」と、ののしったその声は今津方面に聞こえる程であった。けれども相変わらず平気で考えこんでいた。

出典:ワークショップ