猿と蛙 (動物昔話)

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猿と蛙 (動物昔話)

■所在地佐賀市川副町
■登録ID2080

 むかし、むかし。
 あるところに、お爺さんとお婆さんが餅を搗いておったと。その様子を両側から猿と蛙がじっと見ていた。ところが、お爺さんとお婆さんは何処かへ行ってしまった。
すると、猿と蛙はお互いに餅のことで、「私が見つけた。私が見つけた」と、言って争った。
 猿は、臼を転がして熱い餅を取った。そして猿は、木に登って自分ばかり餅を食べようとしていたら、それが枯枝にひっかかり下に落ちてしまった。蛙は、その餅を拾いあげた。
 すると、猿は蛙に、「私が見つけたとこれぇ、私にやれ」と言った。蛙は腹を立て、その熱い餅を猿の顔に目掛けて投げた。その熱い餅は、猿の顔にひっ付いてしまった。猿は、
 「熱、熱、熱」と言った。
 猿は、その熱い餅を顔から取って、蛙に投げ返した。
 だから、猿の顔は真赤になり、蛙の目玉は飛び出してしまったとさ。
 そいばあっきゃ。
             (平田分  西川フジ)

出典:川副町誌P.896〜P.897