洲のもん捕り

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洲のもん捕り

■所在地佐賀市川副町
■登録ID2053

 日本一、潮の干満の差の大きい有明海でも、特に湾奥部の当地が最高であるため、冬期夜間の大潮干潮時には、沖合の洲(デルタ)が干出し、たいらぎ、赤貝、あかにし、えにしなどが姿を見せる。また蟹や鯊、蛸なども採れる。漁民は潮の引きがけに、一隻の船に数人ずつ乗り合わせて漁港を下り、遠くは10kmも離れた洲まで、羅針盤も灯台もないまま潮の流れや、海底の土質、深浅などを頼りに目的の漁場に漕ぎつき、錨を下ろして潮待ちする。やがて洲があらわれると、漁夫はたいまつを背負い押桶を腰縄で曳いて獲物を捜す。大正末期から、たいまつはガス灯に代わり、裸足は刺子の足袋となり、昭和の初め頃よりゴム長を使う人も現れ、戦後ゴムの中長靴や胴付長靴が使用され今日に至った。

出典:川副町誌P.590〜P.591