ゴミクイ

  1. 川副町
  2. 川副町
  3. ゴミクイ

ゴミクイ

■所在地佐賀市川副町
■登録ID2051

 クリーク農法のいま一つの特質は、堀の泥土揚であろう。堀には年々泥土が沈澱する。この泥土を「ゴミ」という。「ゴミ」を汲み上げる作業だから「ゴミクイ」とよぶ。ただ堀のゴミは誰が揚げてもいいというわけでははない。堀の水はそれに面した田主が、自由にいつどんな道具で汲み上げてもいいが、泥土にはその所有主が決まっている。一般に佐賀平野では東西にのびる堀は、北側の田主にゴミの所有権があり、南北の堀では大体西側にそれがある。しかしこれは原則でその後の事情でかわっている場合も多い。よほど広い堀の場合には中央で折半という事例もある。だから金肥がまだ少ない時代には、この泥土をもつ田とそうでない田は、地価に大きな差があったという。川副の場合もそうである。

出典:川副町誌P494.〜P.495