お日待ち

お日待ち

■所在地佐賀市(新栄校区)
■登録ID1871

 八戸では、この行事を毎年1月23日と12月23日の夜から青年行事の一つとして行ってきた。昭和15年生まれの青年までかかわり合って昭和30年代後半まで行われていたが、青年会員の減少により自滅してしまったのは残念である。
 1月の「お日待ち」は、農作物に対して「天照り」(太陽)が程よく照り輝き豊作するよう祈りをこめる。12月は、豊作に感謝を捧げるお礼の祭りであった。
 その日、餅をつき氏神様にお供えした後、お神酒をいただき、お供え餅でぜんざいを食べ、その夜は青年会場に合宿し、農作や、よも山話をしながら寝につき日の出を待つ。午前5時起床。約1㎞の所にある大坪という泳ぎ場まで素足で霜や氷をついて走り、フンドシで寒中水泳(みそぎ)をし、身を清め氏神様、まわりの神様に祈りを捧げ、感謝をこめる行事であった。
佐賀平野の農家の行事で、稲刈りが済み収穫の感謝を込めて、農作物に一番大事な、お天道さん(太陽)に感謝するお祭りで、農家は農作業を行う上で、雨が降り続けば「雨ばっかり降って」と言い、また反対に日照りが続けば、「雨は何時降っちゃろうかー、天道さん(太陽)の恨めしかー」等と言って、天気に対し一年中不平、我侭な事ばかり言っているので今日一日は、てんとうさん(太陽)を休ませて感謝をするお祭りです。

出典:鍋島町史p.286〜287