恵比須・大黒

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恵比須・大黒

■所在地佐賀市諸富町
■登録ID1553

諸富津・搦・大堂津など海に近い集落の路傍に狩衣・指貫に風折烏帽子をつけ釣竿を持って鯛を抱きかかえた円満な姿の恵比須像が多くみられる。恵美須・蛭子などと書くが古くは「夷」と書き、異境人の称であったが福徳神の一つとして漁業神また商業神として崇拝されている。
諸富津の恵比須神は、「文政三年(1820)蛭子講中卯九月吉日」の銘があり講仲間により建立されたものである。
漁村部だけでなく農村部の三重にも祀られているので、豊作を祈願する信仰もあったと思われる。
恵比須とともに福徳神の代表とされる大黒天は太田の宝光院(天台宗)の境内に1基みられる。大黒頭巾をかぶり左肩に大きな袋を背負い右手に木槌を持って米俵のうえに立った姿で、「天保四癸巳年二月吉祥日(1833)當庵四世徳○院○○」の銘がみえる。
大黒天の信仰としては、県内の各地で旧11月子の日に二股大根を供えて大黒を祀る風もみられる。本来は古代インドの民間信仰の神であったが後に仏教にくみこまれ、中国で厨房の神として寺で祀られるようになり、わが国では最澄により天台宗の寺院を中心に祀られるようになった。宝光院は天台宗であるところから、このような理由によるものかもしれない 。

出典:諸富町史P.1195