三夜待・六夜待

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三夜待・六夜待

■所在地佐賀市久保田町
■登録ID1432

 月の満ち欠けは日時の推移を知る手段であり、農耕や漁撈は月の運行によって行われていた。それだけに月は古くから信仰の対象となっていた。特定の月齢の月の出を待って礼拝する月待ちという講行事で、二十三夜と二十六夜が広く行われている。これは満月の後の半弦の月が特徴的であったためと思われる。二十三夜は男性で三夜待、二十六夜は女性でお六夜さんと称されている。講員は家廻りに集まり、月持ちの本尊の掛け軸をかけ、お参りをした後、飲食や話に興じて、月の出を待つのである。本尊としては勢至菩薩・月天子などを祀る。特に三夜待は、旧暦7月23日が祭り日であった。
現在では待行事の意味は薄らぎ、懇親の場として親睦を深める行事の意味合いが強くなっており、二十三夜、二十六夜にこだわらず、日時を決め、講員の家だけでなく料理屋などで行われている。もとは戸主、戸主の妻が主体であったが、のちに一定の年齢別に複数の講仲間が組織され、冠婚葬祭などでは互いに協力しあうなど強い絆で結ばれるようになった。
 講の記念碑の二十三夜塔は、下弦の月の上に坐した勢至菩薩像を彫ったものが町内の随所に見られる。勢至菩薩の有縁日が23日というところから、二十三夜の本尊とされたものである。

出典:久保田町史 p.594〜p.596