大立野北の北之森お稲荷さん
大立野北の北之森お稲荷さん
■所在地佐賀市久保田町大立野北
■登録ID1380
国道207号線、徳万交差点から南のところに祐徳バス横江停留所がある。ここから三差路を東へ行ったところ大立野北集落の北の端に「北之森お稲荷さん」がある。境内北側の中央に、「北之森正一位稲荷大神璽」と刻まれた石祠がある。
その石祠の右側面には「明治三十九年午六月七日」とある。台石を見る。前面には、大立野寄附人、石川又八外48名の名前が刻まれ、後面に「上砥川村谷、石工永石佐吉」と、石面に「発起人鍵山俊八・塚原佐喜造、白濱多藏、原田源七、霧島令辰」と刻まれている。
それから左側にある2つの石祠には、「菊王森正一位稲荷大神璽」「正一位菊之森稲荷大璽」とそれぞれ刻まれている。いずれも、明治39年から43年代である。
境内には4基の常夜燈が寄進されているが、最も古いのは天保9年(1838)戊戌9月吉日、施主は北村中である。
また、多くの石像、石塔の中には宝暦12年(1762)に建立された村地蔵さんもある。
もともと北の森お稲荷さんは嘉瀬川改修以前は、堤防下にお祀りしてあった。その昔、大立野北にも漁業をする人が多く、船出の往き帰りに北之森さんを拝み、航海の安全、大漁を祈念した。
旧暦1月8日がお祭りで、「千里眼」さんの神事の後、おこもりをした。広場では、小屋掛けをして芝居なども催されたこともある。
出典:久保田町史 p.499〜500