盆綱引き

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盆綱引き

■所在地佐賀市三瀬村
■登録ID1293

直径2、30㎝もある大きな盆綱を若者たちでねりあげて、子どもたちに引かせる行事であるが、最近はすたれた。
 盆綱ねりは古くは八朔(8月1日)からはじめた。山のかずらや綱を数本持ち寄り、これをねり合わせて、大きな綱をつくり、少年組、青年組が対抗の形で引き合った。
 綱引きの網は蛇体を模したもので、生命力の強い蛇体を引くことによって、地霊を刺激し、作物を豊作に導かせることが、もともとの目的であった。しかし、時が下るにつれて、引き勝った方を勝とするレクリエーション化されたものになり、宗教的な名彩はなくなった。
 一説には目蓮尊者のお母さんが、地獄に落ちたのを綱で引き揚げ、極楽界に迎えた。
その綱が綱引きの由来で、その成功を祝って、盆踊りがなされるようになったという説もあるが、これは単なる俗説にしか過ぎない。
 本村には東松浦郡地区にみられるような盆踊りの風俗はない。これは幕末、佐賀藩が極端な勤倹令を出して、領内に歌舞音曲などを禁止させたためだといわれている。
 広瀬部落では子供盆といって、8月16日「観音さん祭り」をやり、この日に盆網を引いた。

出典:三瀬村史p646