青年宿

青年宿

■所在地佐賀市東与賀町
■登録ID1102

立野の男子青年は古来自己の家庭には寝ずに、数名ずつ集まって他人の家に宿泊するという習慣があった。その宿泊する家のことを「青年宿」と呼ばれ、徳富春雄・野中十郎・増田政一等の住宅がよくあてられたそうである。毎日の風呂も昔からもやい風呂で、隣り近所の4・5軒が一緒になり、しかも男女混浴の姿であった。夕方から夜半にかけて20数名から30名位の人々が入浴を楽しんだ。使用する水はほとんど堀水をバケツで汲み入れ、燃料は主に石炭をたいた。今日では各自宅での入浴であるが、当時月を仰ぎ虫の鳴く声を聞いた野外風呂の情緒と景観はなつかしいものである。

出典:東与賀町史P1155