山崎クリ 孝女・母娘とも薄資善行賞受賞

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山崎クリ 孝女・母娘とも薄資善行賞受賞

■所在地佐賀市巨勢町
■登録ID674

クリは高尾宿の人で、温順な性格の持ち主であった。父は大正12年に亡くなり、母トラが日本電気鉄工株式会社の女工となって、家族6人を養うこととなった。一家の柱となり老父に仕え、子女の養育に力を注いだ。家は資産なく他からの援助もなく、貧困だった。そこで薄資善行者として金20円の後援資金が与えられた。しかし、大正14年4月、重病にかかり無料診療券により医療を受けることになった。このとき、本人クリは女工となり、勤勉に仕事に励み信望厚く、1日金1円の収入があった。15歳の少女の身で、一家の生計を立て、祖父と病母に仕えた。
大正14年申請された薄資善行者として金20円の資金が与えられた。一方、母の病気は重くなり、県立好生館に入院治療を受けたが、大正15年結核で亡くなった。その後クリは、ますます職務に励んだ。祖父清助は胃縮腎病にかかり北島医師の無料診料券で手厚い治療を受けたが、昭和4年に亡くなった。妹シカは長崎県埼土村に養子縁組をし、弟春次は唐人町植松薬店に奉公。本人と妹トウの二人暮しとなり、生計に苦労することはなくなった。山崎クリは、昭和4年12月、文部省から表彰された。

出典:巨勢P.21