エヒメアヤメ自生南限地帯

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エヒメアヤメ自生南限地帯

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■所在地佐賀市久保泉町大字川久保 佐賀市
■文化財指定状況国 天然記念物
■文化財指定日大正14年10月8日
■登録ID5357

エヒメアヤメの自生地は、史跡帯隈山神籠石(おぶくまやまこうごごいし)の列石線内にあって、別名タレユエソウと呼ばれているアヤメ科の多年性草木である。長さ15~20センチメートルほどの剣状の細長い葉を直立させ、葉間から10センチメートル内外の花茎(かけい)を出して、桜の散るころにアヤメの花を小さくしたすみれくらいの一花を開き、紫色のきわめて可憐(かれん)な花を咲かせる。
その分布は、もともと寒冷・乾燥の地を好むので、ヨーロッパのアルプス地方から中国東北地方・朝鮮半島付近まで普通に自生している。わが国では、瀬戸内海周辺の山陽・四国・北九州にのみ自生している。
エヒメアヤメという名は、古くから愛媛県腰折山に自生していることが知られていて、牧野富太郎博士によって命名されたものとされる。
大正7年(1918)に神埼市日の隈山で発見されたころは、みやき町から小城市清水付近の山中に見ることができたが、現在は自生地が限定されている。
エヒメアヤメは、アジア大陸と日本列島の西南部との植物分布関係を研究する上から貴重な価値を有するものである。