灌仏会

灌仏会

■所在地佐賀市大和町
■登録ID2265

 4月8日は釈尊の誕生日として「甘茶とり」とか「花祭り」といっている所もある。各寺院では、すみれ、たんぽぽ、菜の花、れんげ草等春の草花できれいに飾りつけた「華堂」を作り、その前に大きなたらいを置いて甘茶を入れ、その中に「天上天下、唯我独尊」の釈尊像を立て、参拝者はお塞銭をあげ、その甘茶を釈尊像にかけて礼拝し、甘茶をもらって帰る。家族の者は全部これをいただいて病厄よりのがれるように祈るのである。また、甘茶を蚊帳に吹きかけると虫よけ、屋敷の周囲にまくとまむしよけになるといわれている。西野、平野、川上、五領、下都渡城、尼寺、屋形所、井手等では存続されている。甘茶はゆきのした科の落葉灌木であじさいに似た花をつける。華堂は摩耶夫人が無憂樹の下で釈尊を生んだという花園を形取ったものであり、甘茶はこの時九頭の竜が天から清浄な水をはいて、産湯を使わせたという伝説に基づくものである。

出典:大和町史P.635