弁財天

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■所在地佐賀市大和町松梅
■登録ID2197

 当町では大久保に弁財天があり、又井手原の国道263号線の傍ら高段に弁財天を祀る社がある。井手原弁財天社の拝殿の奥には高さ1.5m、幅約1mの自然石及び高さ1.8m、幅1.2m余の石の小蔵があるが、その小蔵に次の文字が彫りこまれている。
 辨財尊天座殿乙宇募縁造立秋天下和平民安楽
 天明七(1787)丁未四月上巳日 真手山健福寺法師姉実識
 昔、この弁財天の下の渕で、筑前の国の商人が牛に塩を荷なわせて渡る時転んだので「塩びたしなたか渕」といったという。そこでこの弁財天を「塩びたしの弁財天」ともいい、奥の岩石の割れ目に白色や茶色等の蛇が棲息していると伝えられている。毎年旧4月の第1巳の日には、農家は豊年祈願のため参詣者も多かったという。弁財天は妙音天又は美音天とも称し、歌詠・音楽を司どる神とされ、あるいは福徳、智慧、財産を与える神として七福神の一に数えられている。その姿は頭に蛇を巻き琵琶を弾く美女の絵が多く、海辺、河辺、池のほとりに多く祀られ、白蛇がその使者だと言われている。古人は蛇を水神としていたようで、蛇と関係を持つ弁財天も多く水辺に祀られたのであろう。井手原弁財天社の拝殿の楯はよく見ると「白蛇」という字をかたどっているようである。

※写真は井手原の弁財天社

出典:大和町史P.566〜567

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