カラスとタニシ (動物昔話)

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カラスとタニシ (動物昔話)

■所在地佐賀市川副町
■登録ID2081

 むかし。
 長いあいだ旱魃が続いて、田んぼの水がなくなってしまったと。
 田んぼにいたタニシは、飛んできたカラスに堀の中に連れて行ってもらおうと思って、
 「カラスさんとは、そなたのことか。足にビロウドの脚絆をはめて、『ゴホン、コホン』と鳴く声聞けば、昔、お釈迦さんのお説教の声よ」と、言ってほめた。
 すると、カラスはいよいよ得意になって、
 「そんない、助けてやろう」と言った。そしてカラスは、タニシを口にくわえて堀へ
飛んで行く途中で、
 「もう、タニシ、恩と思え」と言って、何度も繰り返した。タニシは、余りカラスが恩にきせたので、堀の中へ落としてくれた時に、
 「そうそうは、恩とは思われん」と言った。
 そいばあっきゃ。
               (久町  野本勝一)

出典:川副町誌P.897〜P.898