カワカミサンまつり | さがの歴史・文化お宝帳

カワカミサンまつり

所在地 佐賀市川副町
登録ID 2021

出典資料から記載

 旧3月には、田植の前でもあって、堀にも川上川(嘉瀬川)の水が流れてきて満水になっていた。その頃を見計らって各地でカワカミサンまつり(カワカミについては、川上とあてるべきか川神か判断しがたい)・ヒャーランさんまつりが催されていた。『沿革誌』には主に寺子屋の生徒同士が行うとある。
 各班毎に藁で丸舟や三角舟を作る。最近は稲の品種が丈の短いものになり、三角舟は作れなくなったという。田植え前に川上川の水が流れてきて、クリークが満水になる旧3月中に催したとされる。カワカミサンまつりは成富兵庫をしのぶとされ、大きな藁製の丸舟に、女竹で鳥居を作り、各自がヒョーゴザラ(兵庫皿)という一握りの藁を折り曲げて作った入れものに供物をのせて、丸船に並べる。供物はゴックウ・煮〆・竹輪・カマボコなどである。舟には絵が上手になるようにというので、子供達がナマズ・ナスビなどを白紙に書き、笹竹に縛って舟につきさす。(鹿江)
 大詫間では子供が水難に遭わないように、松枝神社や正傳寺に祈願する。重箱に貝類その他の海産物、野菜類を詰めて参拝するが、野菜の中には必ず蕗を入れる。蕗は、もし子供が水難に遭ったとき、神様が吹き上げてくださるようにという願いがこめられているという。
 また、藁舟を作り中に供物を入れて、子供達がクリークに流す。供物は、舟の中心に立てた竹に生きたムツゴロウ3匹を下げ、ゴックウ3個、神酒、煮こんだ蕗などを入れ、これにローソクを立て線香を添える。舟はすぐ岸に寄ってしまうが、これを動物(犬猫)が食べると良いとされる。また、この日子供達は床屋に行き、頭の後の襟首の部分の毛を残しておく。この毛を「ひっちょんさんの毛」といって、もし水に入りこめば神様がひっちょんさんの毛を握って助けてくれるという。(『大詫間の民俗』)
 4月になって川上川の水が流れてくると、近所を誘い合って氏神に参拝する。この時には、カンビンにスボ(藁スボ)3本を立て、ゴックウ3個と共にお宮に供えてから飲食する。(広江)
 天長節(4月29日)には、女性は子供を連れ、料理を重箱に詰めて氏神にこもるヒャーランサン籠りをした。(西船津)
 川上水の流れてくる4月末頃に藁で丸舟を造り流す。東南里のヒヤーランサンに弁当持参で子供を連れて参った。(崎ヶ江)この他、東南里の八幡宮はヒャーランサンとして知られ、水難防止の神として近郷の尊崇が厚く、また犬井道の海童神社の水神祭においても、同様な藁の円座を流すことが催されている。
出典:川副町誌P.764〜P.766

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