釈迦三尊像

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釈迦三尊像

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■所在地佐賀市多布施四丁目4-3宗智寺(上多布施東部)
■年代近世
■登録ID1881

釈迦三尊像 宗仁作 三躯
【作 者】大仏師宗仁(林長右衛門尉国次)
【各像高】(釈迦)37.6㎝ (文殊)47.0㎝ (普賢)46.5㎝
【制作年】江戸時代 承応4年(1655)3月
【由 来】
宗智寺は佐賀藩の藩祖とされる鍋島直茂を開基とする曹洞宗の寺院。
 この仏像と同様の釈迦三尊像が鍋島家菩提寺の高伝寺にあり、毎年4月の一時期のみ開帳される 秘仏となっている。ともに初代藩主の勝茂の依頼により承応4年(1655)に京の大仏師宗仁(林長右衛門尉国次)が制作したものであることが銘文などから知られる。高伝寺の仏像は赤栴檀(あかせんだん)でつくられることに対して、宗智寺のは榧(かや)でつくられていてやや小さく、試し彫りとの伝承がある。
 両像とも父直茂と母の菩提を弔うためにつくられたもので、制作の前年が直茂の37回忌にあた
るので、そのことが契機になったと推測される。
 宗仁は鎌倉時代の名匠運慶の子孫を自称している。将軍家ゆかりの上野寛永寺護国院や伊達氏ゆかりの仙台の輸王寺に作品が残っていて、有力な仏師であったことがわかる。宗仁は勝茂の位牌も作っているが、二匹の龍をあしらい七宝金具を用いた特大の立派なものである。
 白檀などの香り高く、木肌のきれいな木材に精密な彫刻を施した仏像をとくに檀像というが、この仏像もその一種で、本体と台座、光背すべてに榧を用いていて美しく、今でもかすかに甘い芳香を漂わせている。
 細部にまで細やかに彫刻した入念の作で、江戸時代彫刻の中でも抜きんでた出来栄えである。

出典:佐賀県立美術館竹下氏『佐賀鍋島藩の美術』(佐賀県立美術館企画展 平成14年10月から)

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