子守り唄

子守り唄

■所在地佐賀市東与賀町上古賀
■年代近世
■登録ID1173

魚ん町の若衆達や大阪のぼり、何故か千の松は上らぬか、上ろうで仕度までしたけれども、あんまり彼女が泣くほどに、彼女泣くなよ土産くりゅう、彼女の土産は何なにか、一で紅箱二で鏡、三で薩摩の板買うて、板から儲けて門立てて、門の周りに杉植えて、杉の緑はどちどちか、あつこに鳴く鳥ゃなん鳥か、雁か水上(鴨)か、鵜の鳥か、行たてみたれば朝鮮烏(カチガラス)朝鮮烏のお父たん達や京や大阪の金蔵に御座った。一年経つても未だござらん。二年経つても未だござらん。三年三月に状が来て、状の上書き読んでみろ、息女やれと言うて来た。息女やるのは、安けれど下に木綿、なか小袖、上にゃ、丹後の一重物、帯は綸子の三重回る。しっかと結べば四重まわる。頭に覆たる編み笠は、頭に被れば垢が付く、腰に下ぐれ人がいる。馬の中背に打ち乗せて、しゃんこ、しゃんこと行くときにゃ、先にゃ牡丹の花が散る。後にゃ時雨の雨が降る。牡丹、芍薬、芥子の数かすさんよえ

出典:船津丸忠作