龍王神社 | さがの歴史・文化お宝帳

龍王神社

所在地 佐賀市東与賀町大字田中1048
年代 近代
登録ID 1148

出典資料から記載

作出村の産土神社は家屋の一番密集する地帯に鎮座まします「龍王神社」である。村社にでも匹敵するほどに立派なお宮であるが、惜しいかな創立も由緒も不詳で明確でない。祭神は大綿津見の神で五穀豊穣と海辺による潮害を防ぐための祈願にこの宮を建てたのである。旧社殿は葦ぶきの屋根で南に面していたが、現在の神社は昭和15年新築完成した。即ち紀元2600年を記念して再建されたもので、鳥居・手水鉢・狛犬・灯籠などすべてに「紀元二六〇〇年記念」と銘が入っている。鳥居の製作者は石工古賀形衛門である。この紀元2600年は西暦1940年の昭和15年に当たり、当時のわが国は八紘一宇・大東亜共栄圏建設を唱えて、軍国主義思想が最も旺盛な時代である。この龍王神社に参詣すると、戦時中における様々な想い出が偲(しの)ばれて感慨無量である。全国の各地でこの当時、神社や施設ができたが、本町内に紀元2600年を記念して建設されたのは余り見当たらない。言わば貴重な存在である。
この神社は作出と中割の中央に在り民家の密集する地帯で、住民氏子の参拝を容易にしていることが特徴である。しかも公衆礼拝の施設を備え、境内の中に20坪余りの参籠を有し、ここが村民の集会場となり公民館となって大いに活用されている。例祭は年3回で正月(元旦)・祗園(8月1日)・供日(10月15日)に開催する。約20数年前までは1年1年に当番が決まって、番帳さん渡しも励行されていた。特に祗園は盛大でその年に入団した青年たちの献上した御神燈が、夏の夜空を飾ったものである。その提灯は唐獅子にぼたんや天に舞い昇る龍神等の絵入りの御神燈で、それに氏名を染め抜いて、青年団入団の自覚と決意を神に表明すると共に、その御加護を祈願するものであった。しかしそうした行事や風習も漸次下火となって一抹の淋しさを禁じ得ない。
出典:東与賀町史P1196

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