観音信仰

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観音信仰

■所在地佐賀市東与賀町
■登録ID1031

わが国における観音信仰は仏教渡来とほぼ同時に始まったと言われている。衆生の願い事を聞くことから観世音といい、すべての衆生を救済するため33の姿に変化するという。観音は聖観音・十一面観音・千手観音・馬頭観音・如意輪観音など各種あり、形としては、頭髪を美しく結いあげ、頭には宝冠を戴く慈悲相で、上半身に条帛(じょうはく)、下半身に裳(も)をつけている。例外として馬頭観音は忿怒相で頭上に馬頭を戴いている。
平安時代中期には六道輪廻の思想がひろまるにつれて、六道に6体の観音を配する六観音の信仰が起こった。町内には造立年は不明であるが、六地蔵のうえに6体の観音の坐像を彫った上下12体の六観音六地蔵塔が、立野の龍王宮前、実久の龍水院前にある。
また旧7月10日(新8月10日)は、四万六千日で観音の結縁日とされ、この日に参拝すると四万六千日分の功徳があると言われている。
慈愛に満ちた面相から女性の信仰が厚く、観音講をつくり毎月定期的に茶講を行っている集落も多い。また、妊娠や安産を願って観音に願をかけ無事、妊娠あるいは出産をすれば願成就のお参りをした。
馬頭観音は、もともとヒンドゥー教のジシュヌ神の化身から転化し仏教にとりいれられて観音になったものと言われる。頭に戴く馬からの連想で、馬の供養や安全息災を願って広く祀られるようになった。

出典:東与賀町史P1042